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「お。お帰りなさ~い!」
「…………………ただいま」
「珍しい表情するね。どしたの?」
「いや。この家に帰ることなんか、滅多にないから、『お帰りなさい』は予想してなかったよ」
「お帰りなさい、ア・ナ・タ。のほうが良かった?」
「ご飯にする、ライスにする? それとも、お・こ・め? ってヤツ?」
「おいしいお米、食べたいなぁ」
「すぐ支度してあげるから、待ってて」
「手伝うー!」
「ありがと。でも背丈足りるの?」
「大人サイズになったほうがいいかな?」
「踏み台使ってもいいよん。そこにあるから」
「なんで男一人暮らしの豪邸に、お誂え向きに踏み台があるのさ」
「何でだっけなぁ?」
「君なんか、無駄に背が高いんだから、必要なさそうなのに」
「無駄って言わないの。君だって大人サイズになれば、長身じゃない」
「そうすると、小回り利かないんだよねー」
「ああ、分かる。不便だよね」
「君も子どもサイズに変身できたらいいのにね、パパ」
「やめて。本気でぞっとした」
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