第1章

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都内某所、腹をナイフで刺された男性の遺体が発見された。同じ手口の犯行がここ最近立て続けに起きている。この男性で四人目である。 「犯行現場にいた男性をこちらの方で保護しております」 交番の中には白いワイシャツを着ている男が椅子に座っている。 「簡単に様子を教えてもらえませんか?」 若い警察官が手帳を片手にペンをはしらせる準備をしている。 「そんなの別にいいだろ、丸尾。実際に聞けばわかることだ」 その警察官の後ろから背の高い顎髭をはやした男の警察官が中に入ろうとした。 「ちょっと今野さん、こういうのは大事なんですから」 丸尾と呼ばれた警察官は、今野という背の高い警察官の後を追って中に入ろうとした。 「ちょっと待ってください。中に入る前に伝えておかないといけないことがあります」 その二人を交番の警察官が制止した。 「伝えておかないこと?」 今野が交番の扉を開けようとした手を止めた。 「第一発見者の男、なにかおかしいんです」
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