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上岡はもう一度マスクで顔を隠す。
警察官二人は上岡の顔、上岡が言った一言に唖然としていた。
上岡は二人が何も言ってこないのを確認してからもう一度口を開いた。
「私は犯人顔を見ました。私が犯人であるんじゃないかと思う方もいると思います。それは調べることでわかると思います。私はあの犯人が許せません。もう今回で四回目です。犯人は無差別でやっています。警察が捕まえないのなら私が警察のかわりに捕まえます」
上岡が今どういう感情で話をしているのかが二人は分からなかった。顔は笑ってはいるが、口から出る言葉には膨大な怒りが感じられた。
「今野先輩、この人が言っていることはおそらく本当です。現場からは凶器と思われるナイフはどこにもなく、この人も所持していません。おそらく犯人は凶器をもったまま逃走したと思います」
丸尾が手帳を見ながらようやく口を開いた。
「わかってる。こいつを信じよう。こいつは犯人の顔を見ている。似顔絵を作りたいんだが、はっきりと覚えているか」
今野の問いに上岡は静かに頷く。
「よし、丸尾。犯人の特徴もとに似顔絵を作って指名手配にするぞ」
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