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「コホン、さて、皆様。」
麗成の家来がそう言うと、辺りはすぐに静まりかえった。
「本日は、この式典へのご参加有り難う御座います。早速ですが、麗成女王様よりお願い致します。」
「はい。皆様、今日は来てくださってありがとう。この式典では、女王引き継ぎを行います。」
引き継ぎ、と聞いて人々はざわついた。
無理もない。
実は麗成が女王になってから、まだたったの半月といっていいだろう。
そのとき、誰かが言った。
「いったい誰に継ぐと言うのだね?」
「それを今から紹介します。いらっしゃい、絵理遂。」
ついにきた。
「はい。」
「紹介します。こちら、私の妹の絵理遂です。」
「い、妹ですって!?」
「そんな、妹などという分際で女王が勤まるわけがない!」
「麗成女王様、引き継ぐ必要はありませんわ。」
予想通りの結果が出た。
どうせこうなる、と絵理遂は思っていたのだった。
「皆様、そうかっかせずに絵理遂の話を聞いていただけませんか。」
辺りは静まった。
しかし、人々の目はひきつっている。
「絵理遂。」
「はい。」
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