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「すみません、今の無しで。」
「いや、事実なのだから仕方がない。全ては俺の力不足が原因だ。内山、すまなかった。」
「えっ!?いや、委員長のせいでは」
「俺が悪いのだ。俺にも、坂下さんのような力があれば……」
坂下さんというのは去年のくそこわ鬼風紀のことである。
「あの、風紀委員長…」
「陣野でいい。」
「陣野さん…あの、こんなこと風紀委員長に申し上げるのも気が引けるのですが……」
「……?なんだ?」
「うじうじ自責に陥るより前にやることがあるでしょう。」
そう、犯人確保と内山くんや他の人の今後について考えなければならない。
「陣野さん。坂下さんのようになるのは無理です。身長的に。」
「喧嘩売ってるのかお前は」
風紀が喧嘩とか生徒に示しがつかないじゃないですかぁ。
「そうではなく、人には適材適所というものがありまして。陣野さんにしかできないこと、ありますよね。」
俺が視線で中庭の木をを示す。
あぁ、とその木を一瞥して顎に手をあてる。イケメン。
犯人はさっきまとめて木に縛り付けておいた。やったのは言うまでもない。
陣野さんはなにやらケータイを取り出し誰かに電話をかけはじめた。
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