苦しいときこそ×××

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とまあ、今までの話をまとめると、兄ちゃんがすみれさんに惚れたのも、ソ○ーに就職したのも、すみれさんの計画だってことよね。 母さんが呼び捨てにしている理由は、まあ、すみれさんがよくうちに遊びに来てるってだけなので、あまり気にしないでほしい。 と、画面の向こうの住人にメッセージを送っていると、リビングの扉が開いた。 「お前なに変な顔してしば漬け貪ってんの」 「おう雪か、おはよう。気にするな。ちょっと世界の中心について考えてただけだから」 実の兄に対してお前とか言っちゃうこのチビは、2つ下の俺の弟、山下雪。 「セカイ系こわ・・・」 「うるせえケツの穴に足の薬指つっこむぞ」 「なんでそんな微妙なもん突っ込むんだよ!!」 「アナル系こわ・・・」 「パクるんじゃねえ!!あとアナル系ってなに!?俺そんな性癖もってないんだけど!!?」 この通りツッコミ気質なので、俺とか俺とか、あと俺とかによくいじられている。 見た目はちょっとDQN入ってるけど、本当は女の子が苦手な純情派男子。話しかけられても返事は無愛想。さらに人見知りしがちなタイプなので、男子ともあんまり喋れないそうだ。 ただのヘタレなんだよなあ。 だが、その見た目と中身のギャップは、クラスの女子からの人気が高いらしい。DQNな見た目で無愛想ってモテる要素じゃないと思うんだけどなあ。 ちなみに大空との二卵性双生児である。 「いいからお前も飯食え。遅刻すっぞ」 「え、あ、おう。って違う!アナル系についての説明をしろよ!!」 「朝からなにアナルとか言っちゃってんの?汚いからやめてくんない?」 「もうこの兄貴やなんだけど!!」 ああ。 楽しい。
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