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場所は玄関から座敷へ移り変わる。
2人は正座で向かい合っているが、視線は交わっていない。
昴は冷や汗を掻きながら畳を見つめ、雪風は冷めた眼差しで昴の頭を凝視していた。
「いいですか?そもそも兄さんは退役した身。妖魔は、その地区担当の霊滅部隊か霊滅師に任せておけばいいんです。なのに…な・の・にっ!何勝手に手出ししてるんですか!しかも霊滅師を助けたなどと言う始末…。聞いてるんですか兄さん!!?」
「はい!聞いております!!」
「私の言いたいこと…解りますね?」
「…はい。以後、気を付けます。」
以上が、正座で1時間近く行われた雪風の説教タイムの一部であった。
妹の身体から絶えず放たれる(お前、殺すぞコラァッ!)っと言う、殺気に昴は只々、小さくなる事と返事しか出来ずにいた。
そんな中、出入りをする襖が開かれ、ジャージ姿の若い女性が入ってきた。
「おいおい。なんの騒ぎだね?これは。」
「明さんお帰りなさい。聞いてください。兄さんったら――」
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