第12話 いつか忘れるモノ

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「最後に、僕からせめてもの贈り物をさせて下さい」 「え?」 彼に連れられて着いた場所は、私のアパートの屋上。 そこには彼のタイムマシンがあった。 その中へと彼と二人で入って、椅子に座る。 「何するの?」 「見ていればわかりますよ」 次の瞬間に壁がすべて消え去る。 上下左右、すべてが外の景色を映し出していた。 それでも一切風を感じないという事は、ここはタイムマシンの中なんだろう。 そしてゆっくりと私の体が空へと浮かび始める。 「えっ!何これ!浮いてる!」 彼と一緒に空へと浮かび上がっていく私。 さっきまでいたアパートの屋上が少しずつ遠ざかっていく。
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