第12話 いつか忘れるモノ

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「すごい!飛んでる!私たち飛んでる!」 アパートはもう遥か下、眼下に広がるのは私の住んでいる町。 夜の町に広がる生活の明かり。 それが町全体を染めて、美しい夜景が広がる。 「綺麗……」 「空から見てもとても綺麗ですね、この町は。まるで宝石のようです」 「こんなに綺麗な夜景見た事ないよ……」 「夜景だけではありませんよ」 視界が急に白いモヤに遮られる。 やがてその白が突然消えると、そこはまるで別世界だった。 「わぁ!すごい!」 そこは雲の上、上を見上げれば数え切れない程の星がひしめき合い、いつもより近くに見える月はとても綺麗な三日月。
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