第12話 いつか忘れるモノ

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こんなに綺麗な風景がこの世にあったなんてなんだか信じられない。 「どうでしょう?僕の一番好きな風景です」 「どうもこうもないって!もう最高だよ!」 「喜んでいただけて幸いです」 「ずっとここにいたいって思えちゃうね」 「では、もうしばらくここにいましょうか」 彼と並んで寝そべって、手が届きそうな宇宙を眺める。 地上からでは見えない小さな星の光も、ここからならよく見える。 星がこんなにも多く見えた事は初めてだった。 「アスタリスク……あの記号に似てるね」 「そうですね。元々アスタリスクには小さい星という意味が込められていますから……」 夜空に散りばめられた無数のアスタリスク。 そのどれもが地球よりも大きな星だって考えると、私たちはどれだけ小さな存在なんだろう。
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