7人が本棚に入れています
本棚に追加
その日は少し肌寒い風が吹いていた。
文化祭を間近に控えた秋の日。
私はイツキと一緒に町へと繰り出した。
「ねぇイツキ、町へ出たのこの時代に来てからどれくらいある?」
「そうですね、中心街まではまだ一度もありません。近場のスーパーになら買い出しに行ったりしていますが」
「じゃあ行ってみよっか」
「はい、よろしくお願いします」
私は彼の手を掴んで、町の中へと向かった。
これと言って何かする事がある訳じゃないけど、デートと言えばまずは散策。
中心街のアーケード通りまで案内すると、彼は少し興奮気味に回りを見渡した。
「すごいですね。これがアーケード通りなんですか……」
「見るの初めて?」
最初のコメントを投稿しよう!