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この時代の名残が六十年後も残ってると聞くと何だか嬉しい。
「せっかくだし、何かお願いしていこうよ」
お賽銭箱に小銭を投げ入れて、私たちは手を合わせた。
「何をお願いしたんですか?」
「うまくいきますようにって、修学旅行の日にさ。イツキは?」
「ヒミツです」
「え!何それずるい!教えてよ!」
彼は頭を掻いて少し照れながら教えてくれた。
「あなたの進む先に、光の満ちた未来が待ってますように、そうお願いしました」
「え……あ、うん……。ありがとう……」
不意打ち過ぎて胸の鼓動が高鳴ってしまう。
こうしてイツキと一緒に居られる時間がやけにいとおしい。
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