第壱話

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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーードサッ! 『…ぐ…っ、…がはっ!』 男が膝をつき、私を見上げる。 『…こ…これで…満足…か…っ。』 ーーーーーググッ… 男は自らの腹に刺さっている剣を握る。 『……………。』 私は言葉を発さずにただそれを眺めた。 『…ふっ。…やっぱりお前は…忌み子…か。』 血を吐き、死を前にして男は笑った。 『…言いたい事はそれだけか?』 ーーーーーグッ。 『……っぐ!!』 私は男の腹に突き刺さっている剣を掴み、 一気に剣を引き抜く。 ーーーーーブシャァァ! 『ーーー……っ!!』 男は目を見開き、口を大きく開け 次の瞬間には絶命していた。 ーーーーーヒュンッ。 血に塗れた刀を一振りし、 『……………。』 ーーーーースタ、…スタ…、 私は返り血を拭うこともせずに 静かにその場を去った。 .
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