その理由たるや

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ベルフェゴールの瞼に冷えたタオルを置き、赤子を抱いて。 高い高いをしてみると、きゃっきゃと小さく笑っていた。 「なぁ、俺の知ってる限り、ベルフェゴールって人間嫌いだったよな?」 赤子と遊びながら、問いかける言葉。 零した紅茶に代わり、新しいお茶を3人分淹れながらルシフェルは深いため息をつく。 「私もよくは知りませんがね。……いきなりここに来たと思ったら、子供の育て方を教えてほしいだなんて。予想外にも程があります」 紅茶を啜り、クッキーかじり。 外、日の照らすテラス。 崩れた壁と相反して、花が風に揺れている。 「それより、何故怠惰は壁を壊してここに?」 問いかける声に、あー……バアルの口から音が漏れた。 「いやな、ちょっと横から驚かせてみたら、急加速しちまったんだわ」 そうして、話は数刻前に。 額を抑えるルシフェルだけれど、まぁ、今回は……仕方ない? いや、仕方なくない、大問題。 「壁の修繕はお願いしますね、バアル」 「へいへい」 低く、ため息。 バアルの腕の中、笑い声を上げていた子供はふと、ベルフェゴールの方に視線を向けた。 ぱぁ、とそれはそれはいい笑顔を浮かべるとぱたぱた腕を揺らす。 気付いた2人、視線を向けると、タオルの下から覗く紫と視線が合った。 †
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