その理由たるや

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うすぼんやりとした意識は、無理やり浮上させる。 「先日ぶりです……ルシフェル、と、お久しぶりです、バアル。それは、そうと……身体がとても痛いのですが、……理由を教えてくださいまし」 言葉に詰まるルシフェルと、視線を反らすバアル。 「……」 流れた沈黙、彼女が見たのは崩れた壁。 ゆるい動作で半身を起こし、ルシフェルへと向き直る。 「申し訳ありません、……。今すぐに、とはいきませんが、しばらく休んでから直しますので」 「いえ、問題はありません。ここはバアルにやらせますので、じっくりと身体を休めてください」 「えー、せっかくベルもやるって言ってくれてるんだしここは任せても」 「あなたは黙っていてください」 わちゃわちゃと、揉める声。 はてな、決着がつくのはいつになるのやら。 そうして、そんな彼らを見やる影。 ルシフェルの城の、上空遥か。 黄色い情報屋は、ぽかんと口を開けていた。 開かれていたノートに書くつもりだったのに、ぱたんと音をたてて閉じられて。 懐深くに直し、彼女はゆるく視線を揺らす。 「こいつぁ大ニュースだねぇ。……でも、世界中に流すのは、まだ時じゃない」 緩やかに口角を上げ、ごうと音をたてて風を切る。 言い争う魔王たちは気付かない。 低く音をたて、消えた黄色。 「楽しくなりそうだねぇ」 呟きは、彼方へと霧散する。 To Be Countinued……?
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