物語の始まり

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12月中旬 昨日の吹雪は嘘のように止み、空には雲ひとつない青空が広がっていた。 とある神社から元気のよい話し声が聞こえてきた エ、グ:「ワンワンワーン!!! 」 蝶:「ボールなくすなよー」 紅:「松葉と桔梗がいないから暇だったけど、一気に騒がしくなった気がする…」 紅稲荷神社の境内でボール遊びする2匹の犬と高校生の少女、狐耳のある男物の着物を着た人物がいた。 蝶:「すまない、紅 雪が降ったと騒いで、たまに喋るからドックランにも連れていけないし…」 紅:「蝶華ちゃんの頼みなら全っ然♪ 買い物行こうか迷ってたけど、着替えたくなくてね」 蝶:「買い物?」 紅:「クリスマスがあるだろ? 松葉と桔梗のプレゼントはもう買ったんだけど…その……」 紅は途中で口ごもり、頬を赤くした エ:「何?もしかして彼氏へのプレゼント?」 グ:「女物の洋服着て行くか迷ってたんだろ?」 紅:「なっ…!!?」 人姿になったエンヴィーとグリードがそう言い、紅は狐耳まで真っ赤になった 蝶:「そうだったのか」 紅:「なななななあのあのっ!! ててててめぇらは黙ってろ野郎悪魔共!! そそそそんなこと言う暇あんなら頼み事引き受けろっ!!」 かなり動揺しながら紅が言う 蝶、エ、グ:「頼み事?」 紅:「あ、ああ… 過去にオレが書いたもう1冊の魔本の探知魔法が切れそうでな、 そっちは蝶華ちゃんの物と違って、魔力のない奴でも読めるんだ 探知魔法が再度かけられればいいけど、無理なら回収したい」 蝶:「そういうことか いつも情報屋をしてもらっているからな 私達が行くよ いいだろう?エンヴィー、グリード」 エ:「蝶華が行くならいいよ」 グ:「で?その魔本はどこあんだ?」 紅:「なんとか探知したんだけど… 今所有してるのは確か…星華学園の生徒で…」 蝶:「星華学園?電車で1駅行けば近いな」 紅:「ああ んで、確か名前は…… ‘オザワ シズク’だったかな…?」
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