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蝶:「私は…幼い頃に両親を亡くし、去年に最後の家族の祖父を亡くしました…
私に残ったのは黒神家の莫大な財産とそれを狙う醜い心の親戚、私の存在は“財産を継ぐ存在”なだけ…
財産ではなく“私”を見てくれる幼なじみはいるけど、もう大切な誰かを失いたくなくて出来るだけ1人でいて、いつしか本当にアキ以外に近寄らずずっと1人だった…
淋しかった、
私の世界は私1人だった…
でも、エンヴィーとグリードに出逢って世界は変わった
今私は1人じゃない、2人のおかげで皆に会えた
人間も悪魔も天使も…ティヌやダンテとも…
雫と河野君、貴方にも…
私は貴方に出逢えて嬉しいよ……!」
希:「その言葉が聞けてとても嬉しいです!
自分の道を信じなさい。どんなことがあっても目の前にいる人達から目を離さないでください。そして……
私も、貴女にあえてとても嬉しいです!」
もちろんティヌもですよ、と付け足すと希与は椅子から立ち上がった
希:「私はそろそろ帰ります。またどこかで会いましょう!」
そして、希与は姿を消した
テ:「…ありがとう、蝶華さん……
希与さんも私も凄く嬉しいです」
ティヌは微笑む
テ:「エンヴィーとグリードも…〔煉獄〕や皆も、貴方がいれば大丈夫みたい
ダンテも…いつか皆の傍にいて欲しいですね…
彼はもう1人を我慢しなくていいのに…」
天使の白い羽根を広げそう言うと、ティヌの身体が少しずつ小さな光になりだした
蝶:「ティヌ…!?」
テ:「いくら私でも死者が生き人の<夢想>にいるなんて良くない話
短かったけど、また友達が出来て嬉しいし、蝶華さんとまた話が出来て良かった
…エンヴィーとグリード…ダンテを…皆をよろしくお願いします…蝶華さん……」
蝶:「……ああ…分かった……」
蝶華の返事に満足そうに微笑むと、ティヌは光の粒と化し、消えた
白い空間には蝶華と、アンティーク製のテーブルの上にある2人分のティーカップに入ったセイロンティーが波紋を作るだけだった
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雫:「蝶華ちゃん!!!」
フルムワールドから帰ってきたら、蝶華だけが目を覚まさずにいた
心配だけど、エンヴィーとグリードが蝶華から離れようとせず、移動させることもできずにいた
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