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エ:「蝶華…起きて蝶華……!」
グ:「何でまだ起きないんだよ………!」
蝶華の顔を覗き込むその表情は不安の色
秋:「…話は分かったけど、そんな敵がいたなんて……」
ス:「私達も探知魔法で気づいた紅から聞いただけだったわ」
キ:「まぁ魔力を1番消費したからまだ起きないのかもな…」
エンヴィーとグリードは狼姿に変わり、鼻先で頬に触れたり蝶華の手を自分の尻尾を撫でる形に添える
エ:「起きてよ蝶華…雫心配してるよ……」
グ:「起きない蝶華も心配する雫も見たくねぇから早く起きろ、蝶華……」
キューン……とか細く鳴く狼姿の悪魔は絶えずシンに話しかける
棗:「くそ!俺があんな無茶させなければ……」
雫:「棗のせいじゃないよ!私が早くから止めておけばよかったんだよ…
ごめんね、蝶華……」
自分達のせいで起きなくなったと悔やみ続ける棗と雫
蝶華を囲むように雫達は周りに集まり、目を覚ますのを今か今かと待ちわびている
雫:「まるで白雪姫みたい……」
そんな一言を聞いた棗は呆れたように言葉を返した
棗:「こんなときになにいってんだよ!?こいつらの気持ちくらい分かるだろ!!」
不謹慎なことを言ってしまったと思い返し、皆に謝った雫
グ:「…蝶華が白雪姫なら、目覚めさせられる王子は誇道だな…俺もエンヴィーも違うかも……」
エ:「俺ら、2人で同じ人を2回も恋して、2回とも静かにフラれて…
傍で困り果てる小人でしかないなんて…すんごい滑稽だね……」
エンヴィーとグリードは呟く
エ:「恋人とかじゃなくていいからさ…、
こんなときに対応出来る人が羨ましい…俺も蝶華にとってそうなりたいよ……!…」
グ:「敵をなぎ払う力もだけど、こんなときに蝶華を助けられる力が欲しい……!…」
2人が目を瞑り呟くと、つっ…と涙が流れ落ち、蝶華の頬に落ちた
ぴくり…
蝶華の指が微かに動いたのを、棗は見逃さなかった
棗:「おい!今動かなかったか?」
その一言で皆また蝶華を見て声をかけ始めた
雫:「蝶華ちゃん!!起きて!皆待ってるよ!!」
棗:「おい!起きろ!!」
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