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腹を立てながら理由を問い詰める私に、彼はとうとう濁す事を諦めたようだ。
言い難そうに声のトーンを落とし、再度私に「ごめん」と謝る。
そして彼は、耳を疑いたくなるような衝撃的な一言を私に告げたのだ。
「別れて欲しい・・・。」
一瞬、思考回路が停止しかけた。
新年早々、こんな最低な冗談は聞きたくないって。
「馬鹿みたい・・・。
そんな冗談、止めてよね。」
受け入れられない。
信じたくない。
だけど、毅一の答えは・・・。
「いや・・・、本気だから。」
・・・一体どういう事!?
年明け前に電話で話した時は、いつも通りの毅一だったのに・・・。
毅一はそれ以上何も話そうとはしない。
だけどこんな一言だけじゃ、絶対に納得できないよ・・・!!
「待ってて・・・。」
「・・・は?」
「そこで待ってろって言ってんの!!」
そう言って私は、毅一との通話を切断した。
そして準備ができていた荷物を掴み、脇目も振らずに家を飛び出す。
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