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「やっぱり、そうなんだね。 ・・・で、誰?」 毅一の交友関係は、ある程度把握できている。 きっと彼の思い人は、私の知っている人だ・・・。 項垂れた彼の目から、ぼろぼろと滴が零れ落ちる。 そして、一番聞きたくなかった名前が、私の耳に入ってきた。 「・・・千晶だよ。」 「えっ・・・、千晶さん・・・?」 千晶さんは、私がヴォーカルを担当していたバンドでベースを弾いていた2学年上の先輩だ。 彼女は毅一と同じ大学部の経済学科で、たしか所属していたゼミも一緒だった。 元々毅一と千晶さんの仲が良い事は知っていた。 だけど千晶さんは、私の事を一番可愛がってくれていた先輩だったのに・・・。
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