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千晶さんの吸っているタバコは、さっき毅一の車の灰皿にあった吸い殻と同じ銘柄だった。
しかも新しいって事は・・・。
「千晶さんと会ったんだ。・・・最近?」
「ああ・・・。年末にな。
ゼミの同期で忘年会をやったんだ。」
「そっか・・・。
でも千晶さん、今は札幌にいるんじゃないの?」
千晶さんの就職先は札幌市内のホテルだ。
だけど年末の忘年会の日、千晶さんは彼氏の家に行くついでもあり、毅一が参加した忘年会にも出席していた。
「ねぇ、千晶さんってたしかこっちに彼氏いたよね?
その彼氏はどうなるの・・・?」
どうして私は、こんな余計な心配をしているのだろう。
偽善だ、偽善だ、と、何度も心の中で自分を責める。
だけど私は、どうしても悪にはなれなかった・・・。
「千晶はまだ、あの彼氏と付き合ってるよ。
・・・ただ、久しぶりに会ったあいつ、すごく綺麗になっててさ。
それでつい・・・、また会いたいって言った・・・。」
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