秘密

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…って。 私のバカ。 私こそ、ここは会社なのに。 渉さんのことを考えていると、なんだかふわふわしてしまう。 会社にいる以上は渉さんは『社長』なのだ。 そして、私は『秘書』。 ちゃんとしなきゃ。 だから、渉さんが携帯を忘れたのにも気が付かなかったんだ。 私は一人で自分にツッコミを入れながら、顔と気持ちを同時に引き締める。 会議室に着くころにはちゃんと秘書に戻れていた。 携帯を渡す時の渉さんはあくまでも社長。私の存在など気にもしない様子で会議に集中していた。 そんな渉さんの姿に、 またひとつ 渉さんへの『好き』が増える。 渉さんを好きになった私は 毎日、毎日 昨日よりも渉さんを好きになっている。
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