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「ふざけるな」
渉さんは社長室の自分のイスにカラダを投げ出すように勢いよく座った。
渉さんは今、取引先から帰ったばかりだ。
「なんで俺があんな奴に頭を下げなきゃなんねーんだよ」
渉さんはデスクに拳(コブシ)を叩(タタ)きつけた。
渉さんはわかってる。
どうして頭を下げなきゃいけないのか…
もちろん…
『社長』だから。
私は渉さんが苛立っている脇で、渉さんにはわからないように微笑んだ。
会社と社員のために
嫌な相手にも頭を下げてくれる…
そんな彼を
とても頼もしく思った。
すごく尊敬した。
大好きだと思った。
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