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私が渉さんに携帯を届けて秘書室に戻ると、ちょうど定時を知らせるチャイムが鳴る。
室長がいないことをいいことに、理央と奈美が同時に伸びをした。
「終わったー！」
「やったーー！」
今日は金曜日。
一週間が終わって、解放的な気分になる瞬間だった。
「ねえ、今日はあがれる？」
理央の言葉に奈美が答える。
「うん。私は大丈夫。望愛は？」
二人の視線が私に注ぐ。
「うーん。社長が今、会議中だから…それが終われば帰れるよ。社長が６時にはまた会社を出なきゃいけないから、それを見送って終わり」
「後…一時間か。ねえ、久しぶりに３人で飲まない？」
「いいねえ！ね、望愛の家で！」
「う、ウチ！！？」
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