1841人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
…え。
渉さんから突然投げかけられた言葉に、胸の奥がヒヤリとして、カラダが硬直した。
渉さんの目。
アイコンタクト。
感情を抑えながらも、あの渉さんがその瞳にわずかに不安を滲(ニジ)ます。
それを隠すかのように視線だけはどこか強気で、
睨みつけるような視線に刺されながら、私は唇をギュッと結んでそれに耐える。
…私、
渉さんに責められるようなことは
何もしていない。
私は渉さんをしっかりと見つめて返事をした。
「はい。知ってます」
その時、エレベーターが止まる。
扉が開く間、私は渉さんを見つめ続けていた。
最初のコメントを投稿しよう!