予期せぬ予感【室長side】

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室長は下げた目じりをそのままに、瞬きを繰り返して何とか真面目な顔に戻そうとしていた。 「君とは話していたいけど、そろそろ始業だ。俺のアドレスだ」 そう言って室長は私に小さなメモを差し出した。 「…アドレス…ですか?」 意味がよくわからなかった。 「例のメール。もう、君も関わらないでほしい。もう送ろうなんて馬鹿なことはしないと思うが、念のために俺に転送するように設定しておいてほしい」 私は室長の手から力なくメモを受け取った。 「このメモ、その設定が終わったら俺に戻すこと、いいね?俺のアドレスは社内でも非公開なんだよ」 「…はい、わかりました…」 手の動きと同じ、小さな返事。 何もかも信じられなかった。 昨日はあんな風に初めて話せて 今日になったら室長から来てくれて そしてこのメモで… 本当にまた話せるの?
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