風邪引きさんに届けたいスープ

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ある日、あなたが風邪をひいたと知った。 夜中、身体が痛くて喉が乾いたってブログに書いてあったの。 お熱も高いね……。 心配で……。 心が張り裂けてしまいそう! 看病してくれる人いますか? 居るよね? あなたの周りには沢山人が溢れてるから……。 大丈夫。 大丈夫? あなたはモテるし、看病したい人は沢山居るよね。 だから平気。 平気? なのに、苦しくて……。 仕事が終わって自転車で急いで帰った。 お粥ではなく、野菜スープ! これでもかって言う位、小さく切った沢山の野菜を入れて。 あなたの風邪が治ります様に……。 生姜も入れて! さぁ出来た! でも……。 私には届ける権利なんてないの。 届けられるわけないじゃない! 「うっ………。」 流し台の縁を掴み、倒れ込んで泣いた。 (どうか、神様。院長先生の風邪を治して下さい。私が痛みも熱も受け取るから……。お願い治して!) 馬鹿みたい。 翌日見たら、まつげも抜けてた! まずい! 仕事に差し支える程……。 まだ、こんなにも消え残る想い。 神様。 記憶喪失になるにはどうしたら良いですか? 風邪引きさんに届ける事が出来ないスープ。 実は、桜の大好物♪ 「わ~い♪ママ大好き!」 ズキン ズキン (桜、ごめんね。) 今日も私の心は風邪を引いてます。
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