突然変異のヒト「異人」について

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突然変異のヒト「異人」について

レノの世界では、150年前の大災害『カタルシス』以降に各地で産まれるようになった、それまでの人間とは違う特徴を持った人類のことを総称し「異人」と呼んでいます。 異人には、身体の一部に他の生物の特徴を持つ者や、身体能力が著しく高い・もしくは低い者、身体の一部に植物が寄生していたり、単眼であったり、肌の色が青や緑などの異色であったりなど、様々な者たちがいます。 生まれた当初は異人の特徴を持っていなかった者が、成長するにつれ異形に変化していくという例もあります。 また、災害後は四肢を欠損した状態で生まれるヒトも多くなっていますが、その明確な原因や全貌については未だ解明が進んでいません。 遺伝により両親から身体の特徴を受け継ぐケースも確認されていますが、これも絶対ではなく、環境の変化に対応するための突然変異によるところが大きいとされています。 異人の姿形は様々で、中には従来のヒトとはまるで違った姿を持つ者もいますが、彼らは総じて、これまでと変わらぬ姿を持つ人間との性交渉・繁殖が可能なことから、生物学的に「人類」と分類し「異人」と呼んでいます。 寿命に関しても、極めて特殊な特異体質を持っている場合を除いては、従来のヒトと変わりありません。 異人たちは災害後から数多く産まれるようになっているため、災害から150年が経った現在では、異人を差別するような面は表面上はあまり見られません。 しかし従来のヒトや自分たちとは違う姿形を持つ異人たちに、嫌悪感や恐怖心を持つ者がいることもまた事実であり、そういった理由で差別された異人たちは各地の戦地跡や廃墟となった街などに集落を作って暮らしていたりもするようです。
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