ノート

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図書室に… 先生は、いなかった。 受付には『本日の貸し出しは終了しました』 そう書かれていて… 私は少し肩を落とす。今日の夜…寝る前に読む本が無くなってしまった。 仕方なく、返却ワゴンに本を乗せ、出しっぱなしの記録用紙にクラスと名前を書いて。 ふと…一冊だけ置かれた本が気になってしまう。 一人、取り残されたみたいで…なんだか可哀相に見えた。 そんな自分を可笑しく思いながら、私はその本を元の棚に戻す事にした。 ほんの少し隙間の開いた場所に本を差し込むと…なんだか、きつい。 なんでだろう。 隙間を増やす為に、少しづつ本をずらしていくと… 理由がわかった。 薄い、大学ノートがまざっていたからだ。誰かの忘れ物だろうか。
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