狡縢小説

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「縢君……」 縢はしゅんとなる 「俺さ、あんまり親と一緒にいなかったから『愛される』とか知らないし、『人を愛する』ってのも知らなかった でもコウちゃんといると幸せなんだ コウちゃんは愛してくれる…こんな俺でも愛してくれるから、もっと一緒にいたいと思うんだ」 朱と縢の間に沈黙が流れる 「…なんてね、ごめん、いきなりこんな話始めて オムライスも食べていいよ」 先程の表情は消え、縢は笑いながらオムライスを差し出した 「……いただきます」 ケチャップをかけ一口食べると、ふんわりとした卵とケッチャップの酸味がマッチして口内に広がる 「美味しいよ縢君!」 「へへっ!ありがとう」 照れる縢の笑顔 朱の頭から先程の話が抜けなかった… ~~~~ 「狡噛さん………」 その後、朱は狡噛の部屋を訪ねた 「どうした?かがりに気づかれたのか?」 「気づかれてはないですけど…」 「?」 朱は狡噛に縢の話をした 「……そうか………」 そう言って吸殻を灰皿に押しつけソファーから立ち上がった 「狡噛さん……?」 「常守監視官、ギノに連絡してくれ あと、外出の同行を願う」 「外出って……どこにですか?」 「どこも何も、プレゼント選びだ」
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