狡縢小説

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「どうするもんか……」 執行官・狡噛は自室のソファーに座り悩んでいた 「縢が喜ぶ物って何だ…?」 事の始まりはバレンタインデー前日… 「コウちゃんの馬鹿!もう嫌いだから!」 「あーあーそうかい、別に俺は構わねぇよ」 バレンタインデー前日、縢の部屋で2人は些細な事で口喧嘩をした そしてバレンタインデー当日… 一係の皆が縢お手製のチョコを貰う中、狡噛だけは貰えず煙草をいつも以上に吸っていた 今の世に珍しく料理をする縢 その料理は上手く、狡噛は仕事後に縢の料理を食べるのが楽しみだった 勿論料理だけでなく菓子も上手い 恋人の狡噛には特にこだわっており、毎年バレンタインデーで縢のチョコを楽しみにしていた だが、そのチョコが貰えなかった 「流石に昨日の今日だし、腹立てただろうな…」 本人は気にしてないようにしているが、端から見れば元気がないのは明らか その夜… 「コウちゃん…」 雨に打たれた子犬のようにしゅんとなったかがりが部屋の前にいた 「どうした?」 「あっ…これ……」 縢はおずおずと抱いていた包みを狡噛に渡す 「昨日はごめん… 今朝になって謝らなきゃって思ったけど、なかなか謝れなくて… でもチョコは今日中に渡したくて…」 狡噛は縢を抱きしめた 「コウちゃん……?」 「俺も悪かった…チョコ、ありがとな……」 「へへっ…コウちゃん好きだよ」 腕の中で笑う縢に、狡噛は優しくキスするのだった… そして現在、ホワイトデー間近 バレンタインデーの詫びとして、縢へのお返しに悩む狡噛 「チョコだったから無難にクッキーとか…って毎年だから駄目か 料理の本…アイツ料理出来るからなし ゲーム…それこそ大量に持ってる ……ローション…?」 沈黙 「……誰かに相談するか…」 そう言って自室を出ていった
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