狡縢小説

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~~~~ 「ホワイトデーのプレゼント?」 ラボにて、狡噛は六合塚と唐之杜に例の相談をしていた 彼女達も同性愛者で、狡噛はよく相談に乗ってもらっている 「恋人らしくどこかデートに行ければいいけど…」 「常守監視官ならともかく、ギノに付き添われるデートなんざごめんだ」 潜在犯である執行官達は監視官の付き添いが無ければ外出は出来ない デートどころか、何か問題があれば彼等はドミネーターに殺される立場だ 常に監視される猟犬は人より自由の制限はあるが、その中で人を愛する自由があることが救いだと、狡噛はふと何度も思うときがある 「じゃあー…恋人らしく夜の営みは? 大人の玩具とか意外と喜んだり」 「毎度のことだが、唐之杜に相談する俺が馬鹿だった」 「ご愁傷様」 狡噛は愉快げに笑う唐之杜の案を躊躇無く切り捨てる 「…プレゼントなら、別に『物』じゃなくていいんじゃない?」 「『物』…以外……?」 「例えば、縢が悩んでることを解決するとか」 「悩んでること………」 六合塚の助言に狡噛は考える 「ヤるときに物足りないとかじゃない?」 「常守監視官のとこに行ってくる」 「いってらっしゃい、彼女なら一係にいるはず」 唐之杜の発言に狡噛は何も言わずラボを後にした 「………いい加減にして」 「はぁーい」 狡噛の去ったラボで、六合塚の言葉に唐之杜は呑気な返事を返していた
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