愛の思い出

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「まだ、出来ていないのか!?」 「す…すいません。い…今からやります」 「もういい!俺がする!!」 「すいません」 ……最近、会社でよく上司に怒られる。 上司言われた簡単な仕事などがついつい忘れてしまう。 「もっと、仕事に集中しろ!!集中!!」 ……最近の俺はどこか上の空であった。 りさこと『愛』の証を示したあの日から俺はりさこにプロポーズしようと考えていた。 だが、中々言い出せない。 …俺は早くりさこと結婚して幸せになりたかった。 そう……幸せに……。 俺はりさことの幸せを思い描くと胸が苦しくなる。 りさこといて幸せを感じると思い出してしまう。 ……俺の心の奥にいる忘れられない大切な思い出を……。 (今日も仕事やっちゃったな…) 俺は会社から家に帰って、食卓でコーヒーを飲んでいた。 (あっ!!留守電のボタンが点滅してる……たぶん…りさこだろう…) 俺は留守電の内容を聴かなかった。 今はそれよりもあるものを読んで癒されたかった。 しばらくして、俺は隣の部屋の本棚に行った。 そして…… 俺にしかわからない隠し場所からある日記を手に取った。 俺はベッドに座り、ある日記を読み出した。 ◯月×日 今日はたかちゃんのサッカーの試合を初めて観に行った。 たかちゃんは試合に出ていなかった。 愛は試合で活躍しているたかちゃんを観たかった。 今度、愛が観に行ったら試合に出てね。 頑張れ!!たかちゃん。 ……俺は中学生の時、3年間サッカー部に入っていた。 俺は一度も試合には出たことがなかった……。
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