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「橘さん……これ、読んでもらえる?」
俺は食卓に愛の日記を置いた。
「なにこれ?………にっき?」
橘さんは愛の日記を手に取った。
パラパラ
「これって……愛の日記……だよね?」
「そうだよ」
「ど…どうして、高岡くんが愛の日記を持ってるの?」
「実は3ヶ月前に愛のお母さんが俺に渡したいものがあるって電話が実家にかかってきたんだ……それで俺は愛の家に行ったんだ。……
ピンポーン
「高岡です」
ガチャ
「久しぶりね!あの日以来だね。さぁ…入って!」
「はい、おじゃまします」
俺は愛の家に入った。
家の中は梱包された段ボールがたくさんあった。
「渡したいものは2階にあるの」
「2階ですか…」
俺と愛のお母さんは2階に行った。
そして…
ドアに『あいのへや』と木目に書かれた木の板が貼られている部屋に入った。
愛の部屋はあの日と全く変わっていなかった。
愛の好きなぬいぐるみ
愛の好きな本棚の本
そして…愛の机の上には
愛の大好きな……
俺の写真入りの写真立て。
まるで、愛の部屋だけが時が停まっていたかのように感じた。
…ただ、ベッドだけはあの日から時が進んでいた。
そう
愛はもう……ベッドにいなかった。
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