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愛のお母さんは愛の机の引き出しからなにかを持ってきた。
「高岡くん、この愛の日記を持っておいてくれる?」
「え!?ど…どうしてですか?」
「あの娘の日記……読んだことあるよね?……私、初めて読んだ時、あの娘、高岡くんのこと本当に好きだったんだって思ったの」
「……」
「あの時以来、日記は愛の遺品だって思って大事にしてたの。そして…最近あの娘の日記を読んだら……この日記は母親ではなく高岡くんに持っていて欲しかったのかなって思ったの」
「お…俺は…」
「だから…高岡くんに持っていて欲しい!」
愛のお母さんはそっと俺の手に愛の日記を持たした。
「…あの…玄関に段ボールがたくさんあったのですが……引っ越しされるのですか?」
俺はずっと気になっていた。
「今月…引っ越しするの!!だから、高岡くんを呼んだの……あの娘の日記も渡したかったから!」
「そうだったんですか…」
俺は少し元気がなくなった。
「あの娘の日記……大事にしてあげてね。毎日とは言わないけど、ときどき日記を読んであの娘を思い出してあげてね」
……ってことがあって俺が愛の日記を持ってるんだよ」
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