12/33
前へ
/33ページ
次へ
死体があるところから少し離れたところに座っていると気分の悪さがいっそう増してきて横になった。 しばらくすると足音が聞こえてきた。警察…かもしれないが動くことができない。体の傷に具合も悪く身動きのできない状態だ。 足音は一人や二人どころではない。あいつ等の仲間かもしれない。 「…あの事件の時と同じだな…ん?」 「お頭!」 一味からお頭と呼ばれている人がこっちに来る。 「お前がやったのか?」 「…僕を殺すんですか?」 「お頭が質問してるんだ!答えろ!」 「下がっていろ。こいつが気に入った。つれて帰るぞ」 この人は何者なんだ? 部下の一人に支えられ連れて行かれたのは大きな日本家屋だった。日本庭園と言うものがあり風情を感じさせられるところだ。僕は客室に通されそこで治療を受けた。治療をしてくれている人はとても優しそうな顔をしていてあの人たちとは真逆のような人に思えた。 「佐伯、どうだ?」 「ひどい怪我ですね…それに具合も悪そうだ。しばらくは安静にしていた方がいいですね」
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加