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「そうか。名前を名乗ってなかったな…おれは刈谷組の4代目、刈谷徹夜だ。そいつは佐伯夕。おまえの名前は?」
この人、刈谷組の頭なんだ。
「…柊雨音」
陽一さん近づいたよ…。この人は紅のことを知っているかもしれない。
でも今聞くのはやめよう…この人のそばにいたらなにかわかるかもしれない。
「雨音、俺はお前が気に入った。ここに住むといい…見たところ住むところを決めていないらしいしな」
あっ…この人、陽一さんの笑顔と同じだ。
そして僕はここに住むことになった。ここにいれば襲われることもない。紅の関係者がいるところに僕がいるとも考えないだろうし、情報が入ってきそうだ。それに僕のことを知らないようだし…一石二鳥かもしれない。
僕と徹夜さんは杯は交わさなかった。ヤクザになるつもりはないからだ。それは徹夜さんはわかってくれた。
「具合はどうですか?」
「…佐伯さん、だいぶよくなりました」
「そうですか。雨音くんは体が弱いですから無理はしないでくださいね」
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