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「陽一さん…あの…」 声をかけようとしたときだった。ガラスが割れて黒い服を着ていた人たちが入ってきた。そして僕を取り押さえようとしてきたが陽一さんが止めに入る。だが銃声が聞こえ陽一さんは倒れた。 心臓の音が聞こえる…目が熱くなってきて涙が頬をつたう。 そしてあのときと同じように気がつくとまわりには死体が横たわっていた。 「雨…音…」 陽一さんの元に駆け寄ると僕の手を握り 「雨音…紅…だ……」 と言って息を引き取った。 紅…?僕と関係があるの?それにしてもどうして陽一さんが知っているんだ? またたくさんの疑問が浮かんだが死んでいる陽一さんを見たら自分を責めたくて傷つけたくてしかたがなかった。 もうここにはいられない…。僕は僕のいた痕跡を消し去った。
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