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桜が散り始めた春の半ば頃……
1人の少女は学園で一番大きな桜の木の根元で眠っていた
膝の上には分厚い本がおかれていた
彼女の名前はミナミ・サンテロ
この四月に、魔導師学園中等部に上がったばかりだ
?「ミナミ……」
少し離れたとこから1人の男の子が彼女を探しに来た
ミナミの横に跪いて肩を軽く揺する
?「ミナミ、こんなとこで寝てたら風邪引くよ」
彼女はうっすらと目を開けた
目の前の人物を確かめるとふっと息をはいて伸びをした
「んっ…………お、兄様?
あれ?……授業は……?」
目を擦りながら目の前の人物……実兄のリオル・サンテロに訪ねる
リオ「今日は午前授業なんだ
中等部もだろ?」
「あ……そういえば……
んー…………お兄様、もしかして何かご用でしたか?」
リオ「いや、昼御飯でもどうかと思ってね
それで探してたんだよ」
彼女は懐から懐中時計を出し時間を確認した
昼御飯と言うには少し遅い時間
兄、リオルを見ると額に少し汗をかいていた
ずっと探してくれてたのか、と思うと自然に笑みが溢れた
リオ「ミナミ?
何か……変か?」
自分をみて笑っている妹に少し不安を抱き、制服や髪型を気にし始める兄、リオル
ミナミはすっと立ち上がり制服についた汚れを払って笑いかけた
「いいえ、お兄様
お兄様の優しさが嬉しかったんです
行きましょ?
暖かい中お昼寝も悪くはないけれど、お兄様と昼食の方が大事です」
リオルは嬉しそうに笑ってミナミの手をとり歩き出した
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