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「夜、行きつけのクラブで遊んでたら、フラフラっと優が来たんだ」
優とクラブがどうしても結びつかなかったけど、私は黙って話の続きを聞く。
「すっごい酔っててさ。やばいなって思って声をかけたら私の事知ってて」
「同じクラスなんだから、知ってて当たり前なんだけど」と。
自分に突っ込みながらも、奈々の表情からはその時の喜びが伝わってくる。
「話を聞くと、両親が不仲で家に居たくないっていうから、私の家においでよって言ったんだ」
奈々は空に向かって息を吐いた。
さわやかな吐息はふわりと薄暗くなった空を漂った後、風に流されて消えた。
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