第7話*交わる視線、交わる気持ち

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光の加減で、受信ランプが光ったように見える。 その度に私は携帯へ手を伸ばしたけど、すべて勘違い。 記事の清書が済んで、私の出来る仕事はおしまい。 描きかけの歯ブラシのイラストだけがまだ薄い鉛筆の色。 はぁ、とため息をひとつ吐き、美術成績2という技術でそのイラストをペンでなぞろうとした時。 携帯の受信ランプが虹色に光った。 あわてて携帯に手を伸ばし、受信メールを確認すると『○○駅前のカフェ』とだけ打たれた文面。 相変わらず絵文字ひとつない、簡素なメール。 私も『持ってくね』とだけ打って返信した。
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