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「美希ちゃんっ。こっちこっち!!」
奈々の笑顔とは逆に、私の顔は引きつっていく。
「座りなよ」
「これ渡しに来ただけだから」
上手く笑えない顔を奈々に見られないようにカバンを漁り、プリントを探す。
探しながらチラリと優を見ると、視線は窓の外。
私と目を合わせないようにしているのを感じて、もうどうしようもないくらい胸が痛む。
私はプリントをテーブルの上に置く。
「締め切り…。明日だから絶対に持ってきてね」
そう告げるけど、声が酷く震えてた。
いつまで待っても優からの返事が返ってこない。
無視されてるんだってわかって、もう怖くて。
「お願いね?」
それだけ言うと、逃げるように踵を返した。
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