第7話*交わる視線、交わる気持ち

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そんな私のシャツの裾が、何かに引っ張られる。 「え…っ?」 振り向くと、優の手が私のシャツを掴んでいた。 「すぐにやるから持って」 しっかりとシャツを握りしめて私を掴まえているくせに、視線だけは絶対に私を捕まえない。 「優もそう言ってるし、どうぞ?」 にこっと笑い自分の隣の椅子を、私のために引いてくれる奈々。 「あ、りがと……」 私の言葉を聞いて、ようやく優は掴んでいた裾を離してくれる。 奈々が引いてくれた椅子に腰を下ろすと、隣に座る奈々からふわりといい香りがした。 少し甘くって。 でも爽やかな香り。
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