第7話*交わる視線、交わる気持ち

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しばらくして、私は席に戻った。 「歯ブラシにリボンつけてよ」 「やだ」 「やだじゃなくてさぁ。リボンつけると可愛いよ?」 愛おしそうに優を見つめる奈々の眼差し。 差し出す言葉。 「こっちの歯ブラシはネクタイね?」 「……もう黙ってろよ」 「えー、じゃあ勝手に書き足しちゃおっと」 もう嫉妬とか、そういうレベルの問題じゃない。 奈々と私は優が好き。 だけど、優は奈々の事が…、多分好き。 私と優は偽装恋人で、奈々と優は本物の恋人かもしれない。 でも優と私はキスしたりしてて。 でもでも、優と奈々はもっと……。 頭がおかしくなりそうな空間で、頭がおかしくなりそうな事を考える。 私はジュースを飲んだ。 喉を通るその冷たい液体だけが私を正気で居させてくれたけど、味なんてわからなかった。
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