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グラスを持つ私の手は随分熱いみたいで、ジュースに浮かんでいた氷が静かに消え去ろうとしてる。
「あのさっ」
声を振り絞る。
優からの返事はなかったけど、そのまま続ける。
「屋上で、優の事『好きじゃない』って言ったけどっ」
「その話はしたくない」
ピシャリと私を静止させる優の言葉。
だけど私はここで立ち止まるわけにはいかない。
どんなに胸が痛もうと、縮こまろうと伝えなきゃいけない言葉がある。
“偽装恋人”を“本当の恋人”にする為の、大事な言葉。
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