第7話*交わる視線、交わる気持ち

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「久恵まで何言ってるの?」 私は驚いて目を見開く。 「え?…だって美希と伊東優って付き合ってるじゃん?って事は伊東優が美希を好きなのって、当たり前でしょ?」 ――そうだった。 そう言われると、何もいえない。 いっそ私と優の関係は“偽装恋人”なんだって話してしまいたい。 けど、それには友の気持ちまで話さないとツジツマが合わない。 「でも、付き合って1か月もしないうちに浮気を疑われるようなことをするなんて、やっぱり伊東優ってサイテー!」 優は悪くない。 優と奈々が付き合っているなら、浮気相手は私の方で…。 非難されるのは私なんだよ。 そんなこと、まったく知らない久恵は「あんな男やめなよ」と怒り狂いだすけど、私は苦笑いを繰り返すだけ。 最終的には、 「伊東優って見た目だけ!はいいから、もてるのかもね。だから元カノの一人くらい気にするな!!」 って励ましてくれる。
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