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「優はっ!こんな……っ」
もたれてたガードレールから立ち上がって、必死になって叫ぶ奈々の瞳に涙が浮かぶ。
「こんな軽くてどうしようもない私にしかっ、すがれなかったんだよっ」
搾り出すような声があまりに切なくて、奈々の苦しい気持ちが見えるようだった。
「あんたもさぁ!優が好きって言うんだったら、私を受け入れた優ごと好きになりなよ!!」
気付けばペットボトルが地面に転がっていた。
オレンジの液体がアスファルトを濡らしていく。
私はそれを見る振りをして、奈々から目線を外した。
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