第7話*交わる視線、交わる気持ち

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「ちゃんと好きだって言えよ」 放課後、私の肩をみんなが笑いながら叩いていく。 あの叫びのせいで、一日中からかわれて散々な思いをした。 まぁ、自業自得なんだけど。 私は保健室に向かうと扉を開ける。 「また伊東君はおやすみ?」 保健の先生にそう聞かれ、私は頷く。 優の姿をあれから見ていない。 カバンもなかったし、帰ったんだと思う。 「さぁ、発表は明後日よ。それまでに印刷しなきゃいけないんだから、今日と明日で仕上げてね」 そういう保健の先生の言葉に、手元の紙に視線を落とす。
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