第7話*交わる視線、交わる気持ち

9/33
前へ
/33ページ
次へ
本当は今の状況で、優に連絡をするのは気が進まなかった。 送信ボタンを押す手が、ためらいで震えたくらい。 あんなことをされて、平気でいられる子っていないんじゃない? でも、ずっとずっと考えてた。 ――この恋は、私が逃げた瞬間終わるって。 『好き』っていう気持ちだけじゃない。 私は優を救ってあげたいって思う。 別に優が苦しんでるように見えるわけじゃない。 だけど寂しいっていう心の声が聞こえる。 たけど私には、どうすれば優を救えるのかわからない…。 だから、あの背中を追いかけるしかない。 優の事が好きだから、私は追いかけなくちゃいけない。 何があっても、あの瞳から目をそらしちゃいけない。 そんな気持ちで押した送信ボタン。 でも、いくら待っても優からの返信はなかった。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加