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「あーっ。もう私ダサッ!」
そう呟きながら私の手をグイグイ引っ張っていくのは奈々。
辺りはもう闇。
昼間の暑さが嘘のように、空気は冷え冷えとしてる。
そんな空気を割きながら前へ前へと進む奈々に、私はただ黙ってついて行くだけ。
「違うんだって」
とか、
「もぉ!」
とか。
奈々が時折叫ぶから、すれ違う人は不振な目を奈々に向けて振り返る。
私はそのたびに、頭をペコリと下げて…。
…そして駅から5分ほど歩いて到着したのは、奈々の家だった。
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